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「主戦場」訴訟第1回口頭弁論報告(2)

原告 山本優美子が読み上げた意見書

 私は、いわゆる慰安婦問題に取り組む市民団体「なでしこアクション」代表 山本優美子と申します。

 慰安婦について世界中に広まった誤解を解き、日本と日本国民の名誉を守るために海外の慰安婦碑や像の設置反対運動、国連の人権委員会やユネスコにおいて慰安婦の真実や日本の立場をアピールする活動を続けてきました。

 世界中に広まった誤解とは「慰安婦の強制連行、数20万人以上、性奴隷」です。これらがいずれも真実でないことは、日本政府の見解でもあります。

 ところが、海外では、依然として「慰安婦はアジアのホロコースト」のプロパガンタが広がっています。その影響で、私たちが様々な資料を提示して、それが虚構であることを証明しても、「リビジョニスト、ナショナリスト、レイシスト、ファシスト」などと呼ばれることがあるのです。

 例えば、私が2014年7月国連の人権委員会に参加した時、何と、国連側のスタッフから「リビジョニスト」と呼ばれました。また、2014年12月、サンフランシスコで講演した時は、プラカードを掲げた人たちから「ヤマモトユミコ レイシスト、ナショナリスト、出て行け」との罵声を浴びました。ニューヨーク市でも同じ様な経験をしました。

 慰安婦強制連行説や性奴隷説を否定する立場の私たちは、海外では、このように不当に侮辱され、時には身の危険に晒されることもあるのです。

 私が映画「主戦場」に登場するに至った経緯(いきさつ)を説明します。

 私が役員の一人である「歴史の真実を求める世界連合会」という団体が、2016年5月23日、議員会館で米国グレンデール市慰安婦像撤去訴訟の報告会を開きました。当日、上智大学院生で「慰安婦の研究のために報告会のビデオ撮影をしたい」という出崎幹根氏が友人たちと一緒に撮影機材を持って参加し、私は彼らから挨拶されました。

 報告会翌日、出崎氏から「件名:上智大学院の出崎幹根のドキュメンタリーインタビューご協力のお願い」のメールを受信しました。メールには丁寧な日本語で次のように書いてありました。

 「私は日系アメリカ人で、現在上智大学で大学院生をしております」

 「慰安婦問題をリサーチするにつれ、欧米のリベラルなメディアで読む情報よりも、問題は複雑であるということが分かりました。慰安婦の強制に関する証拠が欠落していることや、慰安婦の状況が一部の活動家や専門家が主張するほど悪くはなかったことを知りました。私は欧米メディアの情報を信じていたと認めざるを得ませんが、現在は、疑問を抱いています」

 「大学院生として、私には、インタビューさせて頂く方々を、尊敬と公平さをもって紹介する倫理的義務があります」

 「これは学術研究でもあるため、一定の学術的基準と許容点を満たさなければならず、偏ったジャーナリズム的なものになることはありません」

 「公正性かつ中立性を守りながら、今回のドキュメンタリーを作成し、卒業プロジェクトとして大学に提出する予定です」

私は、出崎氏が在学したと同じ上智大学の卒業生です。海外からの留学生が多かったこともあり、日本で学ぶ学生を応援したい気持ちが強くありました。また、米国で慰安婦問題が広がる中、日系人である出崎氏が慰安婦問題を研究するなら協力したいと思ったのです。

 私は、6月11日、母校上智大学四谷キャンパスの教室で2時間ほど出崎氏らのインタビューを受けました。

 インタビューに際して、私は、承諾書に捺印しましたが、それは、当然、出崎氏がメールで説明した「学術研究の卒業プロジェクト」であると理解していました。よもや、街中の劇場で入場料を徴収して一般公開するような映画になるなどとは説明を受けませんでしたし、想像もしませんでした。

 それから卒業プロジェクト完成の連絡もないまま、2年以上経った2018年9月30日、突如、出崎氏から「10月7日に釜山国際映画祭において公開」とのメール。次いで、2019年2月28日に「4月20日から東京・渋谷を皮切りに、全国で順次公開」とのメールを受信しました。

 映画を見ました。「尊敬と公平さ」「公正性かつ中立性」などかけらもないものであることに心底驚きました。

 映画は、先ず、冒頭で、保守系の人たちを画面いっぱい大きな文字で「右翼」「ナショナリスト」「歴史修正主義者」「歴史否定主義者」とレッテルを貼ることから始ります。終盤で今度は、私たちを「人種差別主義者、性差別主義者、ファシスト」と罵るのです

 もし上智大学院生の卒業プロジェクトでなかったなら、もし一般公開される商業映画であることを知っていたなら、もし「主戦場」のシナリオを知っていたなら、私は、出崎氏のインタビューに協力することなど絶対にありませんでした。なぜなら、冒頭で述べたように、慰安婦の強制連行や性奴隷説を否定する立場の私たちは、特に海外では一方的に酷いレッテルを貼られ、罵られ、時に身の危険を感じることもあるからです。

 このような映像が、堂々とドキュメンタリーと称する商業映画となり国内外で一般公開されつづけて良いものでしょうか。既にこれまで公開された間の私たちの精神的苦痛、名誉と尊厳への損害は計り知れません。

 私はこの映画の一般公開の即刻中止を求めます。

 以上、私は、裁判所の良識を信じて私の意見陳述を終えます。

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