コンテンツへスキップ

慰安婦ドキュメント「主戦場」 デザキ監督の詐欺的手口 (6)

月刊Hanada 2019年8月号掲載

新しい歴史教科書をつくる会副会長
藤岡信勝

 第二に、出崎は「卒業制作」として大学に提出した映像を、商業目的で配給する映画に転用したが、これは「他の映画等の作成に使用することがないこと」という「合意書」8項の禁止条項に明確に違反する。多くの人は錯覚しているかもしれないが、商業的に公開されている映画「主戦場」は、私たちが合意した「卒業制作」とは別のものである。

使用禁止条項を蹂躙

 まず、タイトルからして違う。合意書には、「歴史問題の国際化に関するドキュメンタリー映画」とわざわざ下線まで施して書かれている。この映画に登場することを藤岡らは承諾したが、商業映画「主戦場」に出演するつもりはなかった。

 両者は制作主体からして違う。卒業制作は、もちろん制作主体は出崎だが、映画「主戦場」の著作権は、劇場で七百円で売っている公式プログラム(28ページ建ての冊子)には、「C(○で囲む)NO MAN PRODUCTIONS  LLC」と書いてある。LLCは、日本語で言えば有限(合同)会社である。

 つまり、映画「主戦場」は、「ノーマン・プロダクションズ」という会社が制作し、同社が著作権を有しているのである。この会社の作品に藤岡たちの映像を使うためには、藤岡たちはノーマン・プロダクションズ社と契約を結んでいなければならないが、そんな契約はどこにもない。結局、出崎は「合意書」の禁止条項を蹂躙して、卒業制作とは異なる「他の映画」の作成に無断転用したのである。

 一体全体、大学に提出した制作物を、研究対象者・研究協力者に無断で商業利用するなどということがあり得るのだろうか。こんなことを認めているらしい上智大学とはいかなる大学か。「指導教官」は誰で、何をしていたのか。こんな疑問がすぐに浮かぶ。

 そこで、今回被害者となった藤岡、藤木、山本の三名(順序は五十音順)は四月二十七日付けで、インタビューに訪れた三人の大学院生の在学期間や、指導教官は誰か、などを問い合わせた。これに対して、五月九日に上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科の委員長(David Wank)から回答があった。大学院生本人の許可がなければ教えられないという返答であった。その後、指導教官の氏名だけは、全く別のルートから判明した。ご本人が公の場で名乗ったからだ。  四月十九日、参議院の議員会館一階講堂で、「戦争をさせない一○○○人委員会」と「立憲フォーラム」という団体の主催で、「安倍政治を終わらせよう! 4・19院内集会」という会合が開かれた。この集会で上智大学教授の中野晃一は、「政治を変える! プログレッシブ連合へ」と題して講演をおこなった。この模様はYouTubeでネットに流されたので、誰もが見ることができる。

(続く)

Follow by Email
Facebook
Twitter